－ちょっと使えるネタを紹介－
Excel VBAで、全角や半角に変換するには、「StrConv」を使うとできます。全角と半角の変換ができれば、全角と半角を区別しないで比較や検索ができたり、全角と半角の判定や、アルファベットのみを全角や半角に変換することができます。全角と半角を変換する方法について、マスターしていきましょう。
この記事では、全角の文字列を半角に変換する方法と、半角の文字列を全角に変換する方法についてご紹介します。
全角と半角を変換したい場合は、StrConvを使います。
StrConvを使えば、すべて半角に統一して文字列を比較したり、検索することができます。
さらに、StrConvを使って、全角と半角の判定をすることができます。
では具体例をあげて解説していきます。
この記事で紹介すること
目次
全角と半角の操作について、VBAコードをまとめています。
VBAコードのみ確認したい場合に、ご活用ください。
'全角と半角の変換 Debug.Print StrConv("A", vbWide) '全角へ変換 Debug.Print StrConv("Ａ", vbNarrow) '半角へ変換 Dim A A = "ABC-123-ｱｲｳ" 'アルファベットのみを全角へ変換 For i = 1 To Len(A) If Mid(A, i, 1) Like "[A-Z]" Then Mid(A, i, 1) = StrConv(Mid(A, i, 1), vbWide) End If Next Debug.Print A '数値のみを全角へ変換 For i = 1 To Len(A) If Mid(A, i, 1) Like "[0-9]" Then Mid(A, i, 1) = StrConv(Mid(A, i, 1), vbWide) End If Next Debug.Print A 'カタカナのみを全角へ変換 For i = 1 To Len(A) If Mid(A, i, 1) Like "[ｱ-ﾝ]" Then Mid(A, i, 1) = StrConv(Mid(A, i, 1), vbWide) End If Next Debug.Print A Dim A A = "ＡＢＣ－１２３－アイウ" 'アルファベットのみを半角へ変換 For i = 1 To Len(A) If Mid(A, i, 1) Like "[Ａ-Ｚ]" Then Mid(A, i, 1) = StrConv(Mid(A, i, 1), vbNarrow) End If Next Debug.Print A '数値のみを半角へ変換 For i = 1 To Len(A) If Mid(A, i, 1) Like "[０-９]" Then Mid(A, i, 1) = StrConv(Mid(A, i, 1), vbNarrow) End If Next Debug.Print A 'カタカナのみを半角へ変換 For i = 1 To Len(A) If Mid(A, i, 1) Like "[ア-ン]" Then Mid(A, i, 1) = StrConv(Mid(A, i, 1), vbNarrow) End If Next Debug.Print A '全角と半角を区別しないで比較する Debug.Print StrConv("ＡＢＣ", vbWide) = StrConv("ABC", vbWide) '全角と半角を区別しないで検索する Debug.Print InStr(StrConv("ＡＢＣ", vbWide), StrConv("A", vbWide)) > 0 '全角と半角の判定 Debug.Print Len("Ａ") * 2 = LenB(StrConv("Ａ", vbFromUnicode)) '全角の判定 Debug.Print Len("A") = LenB(StrConv("A", vbFromUnicode)) '半角の判定 '全角と半角が混在しているかの判定 B = Len("ＡBC") C = LenB(StrConv("ＡBC", vbFromUnicode)) Debug.Print B <> C And B * 2 <> C
では、解説していきます。
全角や半角に変換するには、「StrConv」を使います。
全角へ変換するには、StrConvの引数に、「vbWide」を入力します。
全角へ変換してみます。
Sub TEST1()
'全角へ変換
Debug.Print StrConv("A", vbWide)
End Sub
実行してみます。
全角に変換できました。
StrConvでは、文字列すべてが変換されます。
Sub TEST2()
'全角へ変換
Debug.Print StrConv("ABC-123-ｱｲｳ", vbWide)
End Sub
実行してみます。
すべての文字列を、全角に変換できました。
半角への変換は、StrConvに、「vbNarrow」を入力します。
半角へ変換してみます。
Sub TEST3()
'半角へ変換
Debug.Print StrConv("Ａ", vbNarrow)
End Sub
実行してみます。
半角に変換できました。
先ほどと同じように、文字列すべてが半角に変換されます。
Sub TEST4()
'半角へ変換
Debug.Print StrConv("ＡＢＣ－１２３－アイウ", vbNarrow)
End Sub
実行してみます。
すべての文字列が、半角に変換されました。
次は、文字種を指定して、アルファベットのみや、数値のみ、カタカナのみを、全角や半角に変換してみます。
まずは、アルファベットのみを全角に変換してみます。
「Like」を使って、「"[A-Z]"」で、半角のアルファベットを探して、全角に変換します。
Sub TEST5()
Dim A
A = "ABC-123-ｱｲｳ"
'アルファベットのみを全角へ変換
For i = 1 To Len(A)
If Mid(A, i, 1) Like "[A-Z]" Then
Mid(A, i, 1) = StrConv(Mid(A, i, 1), vbWide)
End If
Next
Debug.Print A
End Sub
実行してみます。
アルファベットのみを全角に変換できました。
数値のみを全角に変換する場合は、Likeを使って「"[0-9]"」で、半角の数値を探して、全角に変換します。
Sub TEST6()
Dim A
A = "ABC-123-ｱｲｳ"
'数値のみを全角へ変換
For i = 1 To Len(A)
If Mid(A, i, 1) Like "[0-9]" Then
Mid(A, i, 1) = StrConv(Mid(A, i, 1), vbWide)
End If
Next
Debug.Print A
End Sub
実行してみます。
数値のみを全角に変換できました。
半角ｶﾀｶﾅを全角に変換する場合は、「"[ｱ-ﾝ]"」で半角ｶﾀｶﾅを探して、全角に変換します。
Sub TEST7()
Dim A
A = "ABC-123-ｱｲｳ"
'カタカナのみを全角へ変換
For i = 1 To Len(A)
If Mid(A, i, 1) Like "[ｱ-ﾝ]" Then
Mid(A, i, 1) = StrConv(Mid(A, i, 1), vbWide)
End If
Next
Debug.Print A
End Sub
実行してみます。
カタカナのみを全角に変換できました。
先ほどとは反対に、アルファベットや数値、カタカナを指定して半角に変換してみます。
アルファベットのみを半角に変換する場合は、Likeを使って「"[Ａ-Ｚ]"」で全角アルファベットを探して、半角に変換します。
Sub TEST8()
Dim A
A = "ＡＢＣ－１２３－アイウ"
'アルファベットのみを半角へ変換
For i = 1 To Len(A)
If Mid(A, i, 1) Like "[Ａ-Ｚ]" Then
Mid(A, i, 1) = StrConv(Mid(A, i, 1), vbNarrow)
End If
Next
Debug.Print A
End Sub
実行してみます。
アルファベットのみを半角に変換できました。
数値のみを半角に変換したい場合は、「"０-９"」で全角の数値を探して、半角の数値に変換します。
Sub TEST9()
Dim A
A = "ＡＢＣ－１２３－アイウ"
'数値のみを半角へ変換
For i = 1 To Len(A)
If Mid(A, i, 1) Like "[０-９]" Then
Mid(A, i, 1) = StrConv(Mid(A, i, 1), vbNarrow)
End If
Next
Debug.Print A
End Sub
実行してみます。
数値のみを半角に変換できました。
全角カタカナを半角に変換したい場合は、「"[ア-ン]"」で全角カタカナを探して、半角に変換します。
Sub TEST10()
Dim A
A = "ＡＢＣ－１２３－アイウ"
'カタカナのみを半角へ変換
For i = 1 To Len(A)
If Mid(A, i, 1) Like "[ア-ン]" Then
Mid(A, i, 1) = StrConv(Mid(A, i, 1), vbNarrow)
End If
Next
Debug.Print A
End Sub
実行してみます。
カタカナのみを半角に変換できました。
全角や半角を区別しないで比較してみます。
やり方は、「全角」に統一してから、比較するという感じです。
Sub TEST11()
Dim A, B
A = StrConv("ＡＢＣ", vbWide) '全角へ変換
B = StrConv("ABC", vbWide) '全角へ変換
'比較する
Debug.Print A = B
End Sub
実行してみます。
全角と半角を区別しないで比較できました。
次は、全角や半角を区別しないで検索してみます。
やり方は、先ほどの比較と同じで、検索元と検索値を「全角」に統一して検索する、という感じです。
全角に統一して検索してみます。
Sub TEST12()
Dim A, B
A = StrConv("ＡＢＣ", vbWide) '全角へ変換
B = StrConv("A", vbWide) '全角へ変換
'検索する
Debug.Print InStr(A, B) > 0
End Sub
実行してみます。
全角と半角を区別しないで、検索できました。
次は、全角や半角の判定について、やってみます。
やり方としては、「全角は2文字」で、「半角は1文字」としてカウントする方法を使って、全角か半角、もしくは全角と半角が混在しているかを判定します。
全角の判定をしてみます。
「Lenで取得した文字数を2倍した数」と、「vbFromUnicodeに変換してLenBで取得した文字数」が一致するかを比較します。
一致した場合は、「全角のみ」と判定できます。
Sub TEST13()
Dim A
A = "Ａ"
'全角の判定
Debug.Print Len(A) * 2 = LenB(StrConv(A, vbFromUnicode))
End Sub
Lenは全角でも半角でも「1文字」となります。
vbFromUnicodeに変換してLenBで文字数を取得すると、全角が「2文字」で半角が「1文字」となります。
すべて全角だと、Lenで取得した文字数の2倍と同じ文字数になります。
では、実行してみます。
全角であると判定ができました。
次は、「半角」の判定をしてみます。
「Lenで取得した文字数」と、「vbFromUnicodeに変換してLenBで取得した文字数」が一致するかを比較します。
一致した場合は、「半角のみ」と判定できます。
Sub TEST14()
Dim A
A = "A"
'半角の判定
Debug.Print Len(A) = LenB(StrConv(A, vbFromUnicode))
End Sub
Lenは全角でも半角でも「1文字」となります。
vbFromUnicodeに変換してLenBで文字数を取得すると、全角が「2文字」で半角が「1文字」となります。
すべて半角だとLenで取得した文字数と同じになります。
では、実行してみます。
半角の判定ができました。
全角と半角が混在しているかの判定してみます。
「vbFromUnicodeに変換してLenBで取得した文字数」が、「Lenで取得した文字数」と一致しないで、かつ、「Lenで取得した文字数の2倍」と一致しない場合は、半角と全角が混在している、ということになります。
Sub TEST15()
Dim A, B, C
A = "ＡBC"
B = Len(A)
C = LenB(StrConv(A, vbFromUnicode))
'全角と半角が混在しているかの判定
Debug.Print B <> C And B * 2 <> C
End Sub
では、実行してみます。
全角と半角が混在しているかの判定ができました。
この記事では、全角の文字列を半角に変換する方法と、半角の文字列を全角に変換する方法についてご紹介しました。
全角と半角を変換したい場合は、StrConvを使います。
StrConvを使えば、すべて半角に統一して文字列を比較したり、検索することができます。
さらに、StrConvを使って、全角と半角の判定をすることができます。
全角と半角の操作について、マスターしていきましょう。
参考になればと思います。最後までご覧くださいまして、ありがとうございました。
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